アダプテーション、ってどういう意味すか?

メリル・ストリープがここまでやるとは。
これじゃ、
メリル・ストリップじゃん、
と独り映画館の暗闇でツッコんだり。
ニコラス・ケイジが、悩める脚本家の双子役で
アカデミー主演男優賞にノミネートされた本作。
自身のハゲまでネタにする熱演(怪演?)ぶりが
評価につながったのでしょうかね。
繭に魅せられた男、ことクリス・クーパーは最優秀助演男優賞を
受賞しているのだが。


とはいえ、最大の衝撃は冒頭でも述べた
メリル・ストリープの縦横無尽の暴れっぷり。
この人何歳だ?
54歳!
…ありえねーだろ、こんな50代は。
少なくともニポーン人には。
吉永小百合?
うーん。どうだろ…。
内容的には、スパイク・ジョーンズの前作
「マルコヴィッチの穴」よろしく、
どこまでが虚構でどこからが現実かが
曖昧模糊としてくる。そもそもがニコラス・ケイジ双子役だし。
関係ないが、1画面に彼が2人もいると濃すぎる。
真夏には見たくない絵だ。
タイトルのアダプテーションは、
1、適応、適合
2、脚色
という意味があるという。
なるほど、世慣れない内向的な脚本家が
外の社会に自己を適合させるまでを描いた、
と考えればこじつけにはなる。
でもなあ、オチが弱いね、前作同様。
そこが味といえば味なのだろうが。
え、終わり?
的な締めではある。
少なからず人は、
他人の目に映る自己を脚色し、
さりとて破綻なきよう社会に適合させている。
いったん自己に付けた色は、
おいそれとは落とすことができない。
年齢を重ねれば重ねるほどに。
それを超えるには、そう、
薬物でも使うしかないわな。
今自分が生きているこの瞬間は、自分で
無限の可能性のうちのひとつを
選択してきた結果の集大成にすぎない。
「あのとき、あれを…」
「あそこでこうすれば…」
といったifな思考は、
それはそれで楽しいのだけれど何も生まない。
現実逃避という実のない果実しか残らない。
かつて「ほんとうの自分さがし」が
流行した時期があった。
プーで当座をしのぐ若人にも依然その類はいるだろう。
でも、ほんとうの自分、言い換えれば今の自分とははるかに違う自分、
なんて向こうからやって来はしない。
青い鳥はいないのだから、
白馬の王子はいないのだから、
自力で答えを見つけていくしかないんだろう。
なんか禅問答みたいな展開にしちまったなあ。

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