バットマンビギンズの監督クリスチャン・ノーランの最新作かつ、渡辺謙とディカプリオが共演するということで話題の映画「インセプション」を見てきました。借りぐらしのアリエッティーとどちらにしようか迷ったのですが、嫁にインセプション観ないと聞いたら、いくいくといったので決定されました。内容は攻殻機動隊と同じで人の夢の中に侵入するおはなし。
以下ネタバレ
冒頭は時代設定不明の日本城から始まる。海岸に打ち上げられた謎の男コブ(ディカプリオ)は、年老いた城主のサイトー(渡辺謙)の前に連れてこられる。コブの持ち物は銃とコマのみ。サイトーはコブに「俺を殺しに来たのか」と尋ねる。何故なら初対面のはずなのに、どこかであったような気がしたからだ。
そして時は過去へさかのぼる。同じ城だが年齢が若いサイトーとコブが登場。夢のなかで人の情報を盗むことを生業としているコブは、仲間のアーサー(ジョゼフ・ゴードン=レヴィット)と共にサイトーの会社情報を盗もうとするが、亡き妻モル(マリオン・コティヤール)の邪魔がはいり失敗する。逃走中に日本城が大量の水で崩壊する。崩壊と同時に南米のアパートの風呂で目覚めたコブは、これもまた夢だとサイトーに告げる。本当の居場所は東京行きの新幹線で睡眠装置でサイトーを騙していたのだった。
しかし、サイトーはそれさえも見破っていた。もともとコブの夢の中に侵入する能力を見るためのデモンストレーションだったのだ。ミッションを失敗したことで依頼主のコボル社から命を狙われ始めたコブとアーサー。東京のホテルの最上階からヘリで脱出しようとしたコブはサイトーに見つかる。
サイトーはコブにライバル会社コボルの御曹司ロバート(キリアン・マーフィー)の夢の中に侵入し、会社を分割するように【インセプション(刷り込み)】しろと命じる。見返りは妻殺しの容疑を晴らしてアメリカに再入国できることだった。アメリカには二人の子供が待っているが、妻殺しの容疑がかかっているためここ数年のあいだ帰国していない。
子供達に会うため、その条件を飲んだコブはヨーロッパに仲間探しへ向かう。自分でも設計ができるが、亡き妻がその世界に干渉してくるため、新しい設計士として、義父の大学の生徒アリアドネ(エレン・ペイジ)をやとうことにした。また、偽装屋のイームス(トム・ハーディ)、調剤師のユスフ(ディリープ・ラオ)もついでにやとう。夢の中に入る仕事人は現実と夢の世界を区別するため、個別に認識出来るアイテムを持つ。コブは夢の中では永遠に回り続けるコマ。アーサーは同じ目が出続けるイカサマサイコロ。コマが途中で止まればそこが現実化世界だということだ。
若社長の夢に侵入するために飛行機会社を買収。ヨーロッパからアメリカへの10時間のフライト中にインセプションを行うことにした。
計画は第1階層(雨のニューヨーク)でロバートを拉致。第2階層(ホテル)で夢の中で情報を盗まれるかもしれないと2重に騙す。第3階層の雪山でおやじの秘密の金庫を開ける。深層心理に迫るほど時間の経過時間は遅くなり、上階層での5分は下階層での1週間に相当したりする。また、夢のなかでの死は、現実世界での意識不明の状態になるのと同義。
計画通り第3階層までやってきた一行だが、あらゆる難題が彼らにふりかかる。果たして無事計画を遂行できるのか?後は映画館で確認してね。
嫁のモルの狂った行動はコブへの愛情の裏返しだとわかるものも、精神病手前の状況であることは間違いない。エンディングで流れていたエディットピアフの「水に流して」が流れる所に監督の隠れた演出が泣ける。最後のシーンでのコマが意味ありげに回り続けるのはどちらとも取れるエンディングで満足した。