宝島社
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青春小説として評価する
さすが、ミステリー大賞 受賞作!
主人公が素敵
第8回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作
台詞回しが古い
音楽を聴いて熱が下がるなら、いくらでも聴くんだけどな・・・。
発熱と、突然はじまった関節痛と寒気とで、ふらふらになりながら早退した日、近所のコンビニでポカリを2リットル分くらい買って、そのまた隣の本屋で手に取ったのが、中山七里さんの著書「さよならドビュッシー」。
医者に「とりあえず明日は出勤しないでください(この時点でインフル判定が出来ず)」と言われて、こりゃしばらく家にかんづめって意味だ!と思ったら、「じゃあ・・・あれ読もう」と咄嗟に足が本屋に向いて、そんなふらふらなのに必死で本を探してる自分が可笑しくてしょうがなかったです。
実際にはとても読書なんてできる状態じゃなかったけど、熱の上がり下がりの合間に暇を持てあましはじめた頃から読み始めました。
(第8回このミス大賞受賞作品です。)
ピアニストを目指す少女の話だということは知っていたから、それとドビュッシーとにどういうアプローチをしながらミステリーに仕立てているのかな、と読み進めていくと、序盤の伏線と、ある事件後の一人称の使い方ではやくもオチがわかってしまって、予想以上に濃かった音楽要素はさておき、ミステリーの要素はそれほど強くはないなというのが正直なところでした。
というのもこの著者はきっと、過去に自分も音楽を専門に勉強したことがあるか、もしくは非常に近い位置にそういう人がいたか、今その関係の仕事をしているか(コンクール組織とか)、・・・じゃないかなあと途中から気になってしまったのも大きい。
職業として音楽人である人のエッセイはよく読んでいるけれど、この著者の文章には、職業としてのそれよりも、おそらく自身の経験か何かで培われた知識だとか葛藤だとかがそのまま主人公の気持ちとして表れてるように見えて、なんだかわたしの中で、物語とは違うところに意識がいってしまって。
とくにピアノの運指にまつわることや、楽典的な表現、アナリーゼ、レッスン手順、コンクールの選曲、ピアノと共に生きるということ、全章にわたって音楽用語でまとめているところ、音楽科特有の人間関係(「少女に何が起こったか」ばりにベタな展開アリ)など、なんでそういう狭い世界にうずまく感情を知ってる?というか、もしかして知ってるんだな、この人は・・・ 笑、と思わずにはいられないほど、ちょいちょい自分の経験にも重なるところがあり、ミステリーなのに、どこか著者の経験の確認というか、裏付け的にも読めてしまう気がする作品でした。
(一方で、本選の曲が「月の光」だったりするところなど、ところどころでの設定の甘さも気になりました・・・。そういう意味でも、あくまでも経験はあるけれど、音楽人まではいかなかった人が書いたのかな、と。)
これで深読みしすぎだったら、その時はザンゲ。
著者さん、邪推は読み飛ばしてください。次の作品を楽しみにしています。
でも、主人公にピアノを教えるイケメンピアニストが、リストのマゼッパを完璧に仕上げてコンクールに持っていったというくだり(実際にはミスがあるのだけど)、今ちょうどCASIOのCMでマゼッパが流れていたり、わたしのテクニックでは音楽的に納得のいく表現をするまでは弾きこめなかった曲を完璧に弾いている姿を見たり聴いたり想像したりするのは、嫉妬からじゃなく純粋に、心底震え上がるくらいに気持ちいいんですよね。
フィクションでありながらも、鍵盤を目の前にしてリアルにひとつひとつの曲を追体験していけるような、そんな小説でした。
で、わたしの発熱もミステリーよろしく一日目と二日目とでは全く違う診断で謎だらけ。医者も解熱剤処方なのかどうなのかで相当迷っていたようですが、ようやく解決の方向に落ち着きました・・・。やれやれ。もうやだこんなの。元気がイチバンだ。
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