#H: 英国王のスピーチ

英国王のスピーチ
花粉に負けずに外出しよう!と、「英国王のスピーチ」を観てきました。
(ちょいネタバレ注意)
現エリザベス女王の父・ジョージ6世の実話で、吃音症に悩む彼がライオネルという一人の治療者に出会うことによって、それまでどんな言語聴覚士の力をかりても克服できず上手く出来なかったスピーチを、成功させることができるようになるというお話。
主演のコリン・ファースのことを数年前に「ラブ・アクチュアリー」で見て以来、この人には、こんなふうに静かで誠実に悩みぬく深みのある役が似合うなあ・・・と思っていたら、今回のこの役。当初はヒュー・グラントにオファーがいって、彼が断ったからまわってきた役らしいですが、作品との出会いってそういうの含めてきっと運命。コリン・ファースの為の役だったと思う。演技に引き込まれました。
中でも、一平民であるライオネルが王族であるジョージに対して臆することなく「ここ(治療部屋)では対等の関係でありたい」とジョージの愛称であるバーティと呼び、最初は抵抗があったバーティも次第に心をひらいていく様子や、歌や発声練習を使いながらのユニークな治療(声楽をかじったことのある人なら共感するはず)、そういったことを少しずつ積み重ねて一番重要な「心の問題」に触れるシーンは琴線に触れるものがあって、なんとか一緒に克服していきたいんだという想いがじんわりと心に響く映画でした。
中学の頃、社会の先生が「欧米では、スピーチの上手い人が真のリーダーになる。それが歴史によくあらわれている」と言っていたのを今でも鮮明に覚えていているのだけど、この映画では、饒舌な兄に比べてうまくスピーチできないという劣等感に悩みぬいた彼だからこそ、一つ一つの言葉や文節・文脈の流れに沿って表現出来る何かがあって(実際には苦手意識があるからそこまで余裕はないというのに)、ただ話が上手い=スピーチ力、ではないんだよなあと考えさせられること多々。
スピーチ原稿に赤を入れて文脈やアクセントをチェックするのは、楽譜を読み解く作業と同じだし、実際に立つ舞台でリハーサルを行うのも演奏者のやり方にとても近い。そのあたりもとても共感できるお話でした。
冷静に考えると、国王本来の仕事はスピーチなどよりも、地道に地道に熟慮を重ねて決断すべきことが多い折衝ごとなんだろうなとも思う。けれど国民の心を束ねるために節目節目では必ずきちっと誠実にスピーチを行う。その姿勢が、苦悩の上になりたっているとしても、最後はとても眩しかった。一生懸命で。
これから戦争に立ち向かわねばならない時代の話だというのに。
音楽も、モーツァルトやベートーヴェン、ブラームスなどが抵抗なく流れてくるところが、さすがバッキンガム宮殿。
ピアノの旋律が心地良いサウンドトラックを手がけたのは、Alexandre Desplat

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#H: ベンジャミン・バトン 数奇な人生

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『ベンジャミン・バトン』、観たあとの余韻を味わいながら、大切な人と話したくなる映画でした。
思い浮かべるシーンはいろいろあるのだけれど、少し時間をおいてふっと今思うのは、愛する家族や友人に看取られて人生の最期を迎えられる人というのは、どれくらいいるんだろうということ。
別にそれが最良の最期と言いたいわけじゃなくて、出会いと別れはかならずセットっていうことは理解していても、現実にはタイミングによって受け止めることが難しい別れもあるわけだから、お互いに穏やかに迎えられる最期という意味で、どれくらいいるんだろうな・・・と、そんなことが頭をよぎったのでした。
そして数奇な人生でありながらも、過ぎてしまえばもう本当にあったことかどうかさえ思い出せないほど、ただただ自然に時を重ねていく主人公の姿は、じつはけして珍しいわけじゃなく誰の人生とも重なるところがあるわけで、そこが原作者のフィツジェラルドならではだなぁ、と思いました。
劇中とエンディングに流れる、3拍子のシンプルなPianoの旋律がいまも心に残っています。
:::soundtrack composer:::
Alexandre Desplat
*
ところでフィツジェラルドといえば、やっぱり『グレート・ギャッツビー』

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4 ギャッツビー、村上訳で現代によみがえる
5 「はかなさ」の幻影
4 その頃の実話のような雰囲気
5 「男は初恋の女性を忘れられない」という「普遍的事実」について
5 愛する女性を捨てるのか、取り戻すのか、最後には何も残っていない。

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