
::: Originally uploaded by yurhythm on flickr. :::
そんなわけで、海・山・温泉・田舎ライフを約24時間で満喫しようという超短期プロジェクトの二日目は、朝から海へ。
もう、何から書いたらいいんだか。うちの母方4姉妹にとって、日本海は「故郷の景色」そのもので、それは家族であるわたしたちにとっても同じこと。鳥海山や出羽三山を望みながらのドライブもいいけれど、海をのぞみながらのドライブも最高なのだ。
おなじ山形でも、わざわざ内陸から来た人たちは、砂浜のある「いかにも海水浴場」な方へ行きがちなんだけど(それって江ノ島でも同じ)、本当の地元人はそんなところへは行かない。がっつり岩場を目指し、貝やカニ…あー、この後はいろいろ事情があって書けない。笑
とにかく海は生活の源であり、これからもずっとずっとそうであってほしいなと思う。この景色が、いつまでもずっと守られていきますように。

伯母の運転で海岸沿いをドライブし、潮風を味わいながら辿り着いたのは加茂水族館。ここはクラゲの展示種数では世界一を誇る水族館で、ノーベル賞での記憶も新しい、オワンクラゲも展示されている。(今まで一度も来たことがなかった)
信じられないくらい綺麗な七色の光をまとうクラゲや、細い細い足?を柳のように揺らしながら海の中を漂う無数のクラゲが、神々しいほどに美しかった。
子どもの頃「お盆が過ぎるとクラゲが出るから海に入っちゃだめ」と言われて植え付けられていた怖いイメージはなんだったんだろ…と唖然。

水族館を出た後も、しばらく海岸沿いをずーっとドライブする。まるで「崖の上のポニョ」でリサとそうすけが住んでいるような景色も通り越して、ずーっとずっと海沿いを行く。
でもこの日は16:00には帰りの電車に乗らないといけない。名残惜しくも、由良漁港のあたりでUターンしてまた鶴岡へ戻って、妹からオススメされていた平田牧場とん七へ、豚カツを食べに行く。
ここは地元で人気の豚カツ屋さんで、土日のお昼時は1時間待ちは当たり前だという。
東京だとミッドタウンや銀座、日本橋にも店舗があるけれど、地元山形だとそんなにかしこまらずに楽しめる雰囲気。とにかく混んでいるので、妹夫婦が来たときは庄内空港内の店舗に行ったらしい。
もちろん美味しい!平田牧場のブランド豚「平牧三元豚」や「平牧金華豚」を楽しむことが出来ます。(ちなみに山形だと普通にスーパーでも売っている)
満足しながら、ここで伯母から介護の現実や田舎での生活について、いろいろな話を聞いているうちに、こうやってわたしたちと一緒に出かけ、普段とは違う会話を楽しんだりすること自体が、伯母にとってのストレス発散でもあるんだなと気がつく。何か恩返しが出来るといいんだけれど。


そして再び祖母と母(お留守番だったのです)の待つ伯母の家へ戻り、待ってました!とばかりに桃やメロンを頂く。至れり尽くせりですっかり甘えてしまう。
平田牧場での待ち時間に、目の前のお店から夫の家にメロンを送る手配を済ませたばかりだったから、味見の気分。
東京で買ったらもっと高いことを思うと、やっぱり生活するには海山が近いところが一番なんじゃないかと…本気で思った一瞬。祖母が長生きしている理由もそこにある気がしてならない。海の幸と山の幸をたくさん食べて、温泉までの山道を歩いたり、ミニ畑で野菜を育てたりしていたから、足腰も強いのだ。
ところでこの日の祖母は、ビデオで水戸黄門を観ていた(昔の)。着いた日は、訪れたわたしたちを見てちょっと恥ずかしそうにして、でもソファに座りながらいつものように洗濯物をたたむ姿に何とも言えず安心して。時折会話すると、少し記憶が曖昧なのかな?と思うところもあったけど、一緒に身長を測ったりして、まだまだ元気そうに見えた。


あっという間に時間がすぎて、楽しかった二日間。
祖母と、伯母と、母と、わたしたちとで記念に写真を撮って、駅に向かう。
*
帰ってから数日後に母からメールがきて、じつは祖母の痴呆はすすんでいて、もうあまり時間がない、だからこの前の写真は(記憶のあるうちに)なるべく早く送ってあげてね、この前もあなた達の結婚式の写真を何度も何度も繰り返し見ていたのよ、と書いてあって、まいった。
祖母は、じぶんでもそのことを感じているのだ。足腰が強いとはいえ、もう長い時間立っているのは辛い体なのに、別れ際に玄関にすくっと立ち、笑顔で送り出してくれたのは、今度またいつ会えるかわからないことを知っているから。祖母はそういう所がきちんとしている人だから。
帰り道に夫が、「今回の旅はリアルに「サマーウォーズ」だったなあ」とつぶやいて(今回は親族大集合じゃなかったけど、うちの田舎加減や、親族の絆みたいなものが)、やっとわかってくれたかあ、なんてその時は呑気に思っていたけど、離れた場所で暮らす祖母と過ごす夏は、じぶんで思う以上にとても大切な時間なんだと、帰ってからいつも思う。そうだ、一緒に花札をするのをすっかり忘れてた!

祖母の手。写真だと伝わりにくいけど、わたしより指も長く、手のひらも大きかった。
今までずっとそのことに気がつかなかった。今回の一番の想い出。
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